シナモンといえば、アップルパイやシナモンロールでお馴染みの、甘く爽やかな香りが特徴の香辛料です。
このシナモンに含まれている成分が、シミやシワに効果があると、一時はスーパーで品薄になる程注目されていました。
その成分が肌の老化現象を改善する効果は、大手化粧品メーカーの研究結果で明らかになっているようです。
ここでは、シナモンが、シミやシワに効く理由や、適量、副作用、食べるタイミング、オススメの食べ方をご紹介していきます。
この記事の目次
シナモンにはどんな効能がある?
シナモンはクスノキ科ニッケイ属の樹木が原料で、スパイスとしてだけでなく、生薬として多くの漢方薬にも処方されています。
漢方では、「桂皮(ケイヒ)」や「肉桂(ニッケイ)」とも呼ばれています。
和菓子に使われているニッキも、シナモンの仲間です。
シナモンには血行を改善する働きがあり、これにより色々な効能があるようです。
シナモンの効能
- 抗菌、防腐効果
- 体の冷えを取る
- むくみ予防
- 胃腸の働きを活発にする
- 更年期障害の症状を緩和する
- 消化を促す
- 血液を固まりにくくする
- 月経痛や月経前症候群の症状を緩和する
血行がよくなる作用が強いので、月経過多の人は控える必要があるそうです。
シナモンの体を温める作用は、しょうが以上とも言われています。
シナモンがシミやシワに効く理由
体を温めるシナモンがシミやシワに効く理由は、シナモンに含まれている桂皮エキスが毛細血管を丈夫にして、必要な栄養が肌に届けられるようになるからです。
これは、資生堂の研究結果で公開されています。
参考元:資生堂、加齢による皮膚毛細血管の機能低下が皮膚老化に関与していることを解明
これによると、40代後半になると、毛細血管を構成する細胞と細胞を接着するTie2(タイツー)という物質が減るそうです。
細胞同士の間にスキ間ができると、途中で血液中の栄養が漏れて、肌まで届いてないことが解明された、と書かれています。
また、細胞同士を接着する物質を増やす働きが、シナモンに含まれている桂皮エキスにあることを発見した、というものです。
細胞同士がくっついて、漏れがなくなると、肌に栄養が行き渡るようになるそうです。
漏れない毛細血管が老けない肌を作る
睡眠中に新しい肌細胞が作られるときには、毛細血管で運ばれてくる酸素や栄養が必要です。
毛細血管が栄養を届けてくれないと、肌細胞の生成に支障をきたし、ターンオーバーが正常に行われなくなってしまうのです。
すると、古い角質が肌の表面を覆い、シミやくすみのある肌になってしまいます。
また、肌にハリや弾力をもたらす、コラーゲンやエラスチンなどを作る細胞にも栄養が届かないため、シワやたるみの原因になります。
さらに、顔とつながっている頭皮の毛母細胞にも栄養が届かなければ、白髪や抜け毛の原因にもなると言われています。
シミやしわ、たるみを予防改善するためには、途中で栄養を漏らさずに、必要な量が肌に届けられる丈夫な毛細血管が必要なのです。
シナモンが、肌の老化に効く理由は、毛細血管を丈夫にするからなんですね。
シナモンの種類
シナモンは、木の種類や原産国によって、2種類あります。
2種類のシナモン
- セイロンシナモン…色が薄い。甘い味によく合い、スイーツに向いている。
- カシア…色が濃い。どちらかというと塩味に合うので料理向き。漢方で使う。
香りは、セイロンシナモンの方が繊細な感じで、カシアの方はよりスパイシーです。
スーパーでよく見かける、エスビー食品のシナモンは、確認したところ原料原産地名が中国になっていれば、カシアだそうです。
同じエスビー食品のシナモンでも、オーガニックか、原材料原産地名がスリランカになっているものは、セイロンシナモンだそうです。
シナモンには副作用がある
シナモンの1日の適量は諸説ありますが、TVで毛細血管の鍛え方を紹介されていた、根来秀行博士が目安としているのは、1日0.6g(小さじ半分程度)です。
参考サイト:世界一受けたい授業
シナモンは、体に良い効能もありますが、摂りすぎると悪い影響もあると言われています。
それは、シナモンの中でも、カシアには香り成分のクマリンが多く含まれています。
セイロンシナモンには、クマリンはほとんど含まれていません。
クマリンは大量に摂取すると、肝臓に負担がかかるといわれています。
摂取量に上限を定めている国もある程なので、摂取量は注意が必要です。
1日に摂るのは、小さじ半分程度にしておきましょう。
また、妊娠中は胎児に良くない影響がある可能性があるため、妊婦さんはシナモンは控えた方が良いそうです。
参考サイト:内閣府食品安全委員会、健康影響評価「シナモンの日々の多量摂取:健康リスクは排除できない」
また、クマリンには光毒性があります。
光毒性をもつ食品は、紫外線を吸収して、日焼けしやすくなるのでシミが出来やすくなってしまいます。
野菜や果物の中にも光毒性を持つものもありますので、それらも朝より夕食で摂るのがオススメです。
シナモンのお手軽レシピ
シナモンパウダーは、コーヒーやココアに入れても美味しいですが、豆乳や紅茶、杜仲茶などに加えても風味が変わって楽しめます。
また、果物やサツマイモの甘煮にふりかけても、甘みが引き立つので、おやつやデザートにオススメです。
シナモン風味の豆乳
材料
- 豆乳…1カップ
- シナモンパウダー…小さじ2分の1
- グラニュー糖…小さじ1
- 小鍋に豆乳とシナモンパウダーを入れて混ぜながら沸騰させる
- 火を止めてから、砂糖を加えて混ぜ合わせる
簡単インスタントチャイ
チャイは、紅茶と同量の牛乳を入れて、シナモンとグラニュー糖を入れますが、紅茶の茶葉がない時や、簡単に飲みたい時には、粉末のミルクティーにシナモンを入れるだけで、手軽に楽しめます。
りんごのカラメル和えシナモン風味
材料
- りんご…中1個
- グラニュー糖…大さじ3
- バター…5g
- 水…小さじ3
- シナモン…小さじ2分の1
- りんごをくし切りにする
- グラニュー糖と水をフライパンに入れ、強火にかける
- 茶色になってきたらりんごとバターを入れて弱火にする
- りんごにカラメルをからめて、バターが溶けたら火を止める
- お皿に盛り付けて、シナモンパウダーを振りかけて完成
サツマイモの甘煮シナモン風味
材料
- サツマイモ…中1本
- 水…2カップ
- 砂糖…大さじ2
- レモンの絞り汁…2分の1個分
- シナモンパウダー…小さじ2分の1
- さつまいもの皮をよく洗う
- 1.5cm位の厚みで輪切りにする
- 鍋に水と砂糖、さつまいもを入れて中火にかける
- 蓋をして、汁気がなくなるまで煮る
- 火を止めてレモン汁を入れて、さっと混ぜ合わせる
- 器に盛って、シナモンパウダーをふりかける
最近は、サツマイモの甘煮が真空パックになったものもありますので、煮る時間が無いときでも、手軽に食べられます。
シナモンには、パウダーやスティックタイプがあります。
飲み物やお菓子に使うなら、パウダータイプの方が、使用量が分かりやすくて便利です。
煮物料理に使うなら、スティックタイプの方が、味に深みが出ます。
手近なスパイスで、美肌対策ができ、血行が改善されれば、冷えからくる体調不良の症状が軽くなる効果も期待できます。
是非、参考にしてください。
参考書籍:薬膳&漢方の食材事典/阪口珠未著
【参考サイト】わかさの生活:https://company.wakasa.jp/